2016年10月23日日曜日

あるいは秋の味覚でいっぱいの海


 ここ3週連続で同居人のお母さんから食糧が宅急便で送られてきている。
 カキ、リンゴ等の果物に加えて毎回、サンマ煮とイチジクの甘露煮が入っている。

 おそらく同居人の実家でサンマとイチジクのもらいものが大量にあって、生で食べきれない分を煮て、さらに「お裾分け」で各地に宅配便で送っているのだろう。

 正直、お裾分け分だけでも3週連続ともなると食べきれないぐらいで、前回分のイチジク甘露煮がアルコール発酵し始めて、カブトムシ捕まえるときの餌のような状態になって捨てるというお百姓さんはじめ皆さんごめんなさいな状況になっており、正直飽きてきた気もするのだが、こういうコントロールできない、採れるときにはドサッととれてしまうのが農作物なり漁獲物の醍醐味だと思う。

 農作物ならまだ、作付面積だのの調整である程度は実る量をコントロールできるけど、それでも実る時期はだいたい決まっていて、採れるときにはドサッとあふれるぐらいとれる。それが漁業になると更に振り幅が大きくて、いきなり船が沈むぐらいの大漁になることもあれば、なぜか突然の不漁がやってくることもある。昨日もスカ食った。

 先日、シーバス釣りで調子よく釣れた日に「調子悪い日に分けて釣りたい」的なことを書いたが、全くそれは自然が相手である限り叶わぬ願いで、釣れるときに釣っておくしかないのである。まあ、それでもあんまり叩きすぎるとスレるので良い加減で満足して帰るというのも大事だとは思っている。

 農作物、漁獲物で、とりあえず沢山とれたときに食べきれない分を濃い味で煮て保存食にしてしまうというのは基本だろうなと思う。

 ただ、この保存食が単に日持ちのする食材という以上に美味しかったりするので、3週連続のお裾分けもうれしい悲鳴を上げつつ、毎日せっせと食べることになる。
 サンマ煮は煮返して食べているうちにボロボロと崩れつつ味がしみてきたりして実に味わい深いし、イチジク甘露煮もそれほど甘くなく仕上げてあり、発酵始まって多少酸味がするぐらいまではバクバクと食べられる。
 「飽きてきた~秋だけに」とかぼやきながら飽食するそのこと自体に贅沢を感じる。

 秋の味覚を飽くほど食らう快楽をいましばらく堪能できそうだ。

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