2018年1月26日金曜日

絶対王者の陥落


 フロロのハリスはというか細いハリスはクレハ社「シーガーグランドマックス」で間違いない、と永年思ってきた。

 金地に赤のパッケージ、定価が50m3千円もするハリスは、出た当時、今までのエースとかとそんんなに違うわけがないやろという予想に反して、ぶっちぎりに良いフロロカーボンのハリスだった。最初に結んだときにもう、結びがそれまでのフロロカーボンのように堅い感じじゃなくてしっとりキュッと締まる感じがしてそれだけでちょっと違うなと思わされたし、とにかく強度があってスレに強くて、表面がザラザラになるような場面でも切れずに魚が上がってきて「グランドマックスで良かった」と胸をなで下ろす経験を、愛用者なら何度かしているのではないだろうか。
 「直径が半分ぐらいになる切れかかった状態でも魚があがった」と言っている釣り人がいたのもあながちホラとは思えない高性能さに絶大な信頼を置いていた。

 ただ、ルアーのリーダーのような太いハリスであれば、引っ張り強度が必要なのはリーダー部分じゃなくて道糸だし、スレに強いハリスが欲しければ物理的に太いハリスを選んでしまえば良いので、わざわざそのために高価なグランドマックス様にご登場願わなくても大丈夫で、ジギングとかの太いハリスはデュエル社の「船ハリス」つかってたし、ナイロンの太いのを選択することもある。普段のシーバス釣りでは生分解性ショックリーダーが廃盤で手に入らなくなってからは、シーガーの「エース」や「フロロショックリーダー」を使っている。昔あったヤマトヨ社の「ジョイナー」は安くて良いフロロハリスだったのだけど最近見かけない。
 ちょっと脱線するけど、生分解性ショックリーダーの「RTE」はビヨーンと良く伸びるラインでPEを道糸に使う時にはクッションのように機能していたように思う。PE使用が全盛のシーバス用とかでアタリをはじかない「伸びるナイロンリーダー」とか売れないだろうか?などとアホなことも思ったりする。

 話もどして、道糸より太い「リーダー」じゃない、フライのティペットのような細ハリスの場合、引っ張り強度も欲しいし細さも欲しいスレにも強くという贅沢なことをいい始めると結局シーガーグランドマックスだよねということになる。0.3号の細ハリスでデカいヤマメ掛けたときにあげる確率を少しでも上げたければ信頼する一番良いと思うハリスを結ぶしか選択肢はない。現在ではグランドマックスにはよりソフトなFXもあるようだけど、細ハリスではフロロカーボンのパリッとした張りがクシャッと絡まるのを防いでくれてる気がして個人的には好み。なのでFXは使ったことがないけど、強度は同程度でメーカーも釣り方とかでお好きな方を選んで欲しい的なことをいっている。

 ただ最初の方でも書いたけど、グランドマックスちょっとお高い。さすがに定価では売ってなくて50m2千円弱で買える。あんまりハリス替えないインチキフライマンな私のフライフィッシングならそんなにハリス減っていかないのでたいしたことないんだけど、ヘラ釣りみたいなハリス交換しまくる釣りではその値段でもちょっときつい。
 なんか安いのないかなと考えて、前回ナイロンの安いハリス候補を探したときに、細いルアー用のフロロの道糸は結構あったのを思い出して、試しにと買ってみた。
 アジング用だの管理釣り場のマス用だの各社から出てるけど、シーガーからも「R-18」というのが出ていたので1ポンド0.3号相当のを買ってみた。フロロのラインはクレハ社シーガーブランドならやっぱり安心できる気がする。100mで定価は2500円だけど、実売は1500円程度。50m750円はかなりお買い得。

 道糸用なのでややグランドマックスよりしなやかな感じか?まあそのあたりはおいおい使って調子を見ていくにしても、まずは強度がないと話にならないので、秤もってテスト。
 スプールから出したラインの先に8の字でループを作って秤に掛けてスプールを引っ張ってゆっくり切れるまで。切れたところの数値を読む。グランドマックス、R-18それぞれ3回平均をとる。ホントはもっと回数必要だろうけどまあ主観的な感触得るぐらいはこのくらいでいける。
 結果はグランドマックスが650g、540g、620gの平均約603.3g、対してRー18が500g、665g、570gの平均578.3gと結果としてはグランドマックスが僅差で逃げ切ってるけど、正直測る毎にぶれる誤差もあって、この程度の差は誤差の範囲内で「引っ張り強度」だけみれば同程度の強さがあるように感じた。
 まったく、問題なくヘラ用のハリスとして使えそうな強度はある。
 ナイロンじゃなくてフロロを選択する時って、ヘラの場合フロロのスレに対する強さとかはあまり必要じゃないので、パリッとした張りと伸びの少なさでアタリを明確に出したいときなどに使うのが想定されるけど、その役割は充分果たせると思う。そして安い。0.4号も買っちゃった。っていうかフライ用のティペットもR-18で良いんじゃなかろうかと思えてきた。

 そして、こうなるとどうしても気になる。
 今時のヘラ用ナイロンハリスとフロロハリスはどっちが引っ張り強度あるのか、試してみたくなった。
 一昔前ならフロロはナイロンの1.5倍の引っ張り強度があるというのが大きな利点の一つに数えられていた。でも、前回ハリスの強度を測ったときに、今時のヘラ用ハリスはちょっと前のナイロンラインの1.5倍は引っ張り強度があって驚いたところである。
 ならば、フロロと同じ方法で同じ太さを測ったらどう違うか、どちらが引っ張り強度的に優れているか。ナイロン代表には前回0.5号で驚きの強さを発揮してくれた「バリバススーパーへらハリス」0.3号に登場いただいた。
 結果は、600g、650g、670g、平均640gで測ってるときの感触としても明らかに強い。伸びて粘る。ある程度予想できたモノの衝撃的である。

 もちろんフロロカーボンのハリスには、引っ張り強度以外にも表面が硬くて耐摩耗性に優れスレに強い、張りがあって伸びが小さいのでアタリが直接的に出やすい、比重が重くて沈めやすい、屈折率が水に近く水中で見えにくいなどの利点もあるけど、一番の魅力はナイロンの約1.5倍の引っ張り強度があって細いのが使えるということだったように思う。
 今日、引っ張り強度の欲しい状況ならハリスは高級ナイロンハリスを選ぶべきなのかも知れない。
 例えば渓流のフライのティペットならヤマメ狙いなら細ハリスでの吸い込みやすさも含めてナイロンの方が適しているかも知れない。イワナだと石に潜られて擦れてとかがあるのでやっぱりあんまり細くないフロロの方が良いのかも。

 というぐあいに、道具が日進月歩で進歩してきているので、それまでの常識がひっくり返ったときには、もう一度、なぜそのハリスを選んだのか、その釣りで使うハリスにはどんな要素が求められるのか、それを満たすハリスは現在どの商品なのか、なんていうことを再度検討して詰めておく必要がある。
 最終的に引っ張り強度が欲しければ単純に太くして、食いが落ちるのは技術で補えばいいと割り切るにしても、選択肢として知っておくことや限界値を把握しておくのは悪くないはずだ。
 道具を替えると、替えたことによる不具合も生じるので、道具が進歩してもあえて替えないという選択肢もあるけど、ラインやらハリやらは消耗品であり新しいのしか売ってなかったら買わざるを得ず、安くて良いのを探し続けることになるのかなと思っている。

 ナイロンラインの高性能化にはちょっと注目して、今時の高性能ナイロンなら何ができるか?ってことも気をつけて考えておきたい。今時のナイロンラインは、もう我々古い釣り人が知っているそれとは別物と認識した方が良さそうだ。

 新しい釣りを始めてみると見ること聞くこと試すこと新しいことばかりでやっぱりどうにも面白い。苦労もしてるけどね。ハリスも結んだし明日は寒いけど釣りに行くか。

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